Poème En Prose015

「そう、鏡があるとすれば、鏡に映った僕は、いつも独りなんだ。こちら側にいる僕は、君といる。けれども、向こう側の僕には君は居ない。だから、彼はいつも哀しそうなんだ」
「何故、私が映らないの?」
「それは…。君は僕よりもずっと頭がいい。だから…。これ以上は、僕も哀しくなる」
「ごめんなさい。今のは私が悪かった」
「彼は、とても哀しいんだ。だから、彼が哀しいと思うならば、僕達は少しでも楽しそうに笑ってあげたいんだ」
「あぁ。一つの理想の形を見せてあげたい」
「それで、悲しくなる事もあるんだけど」
「そうね。暖かなものって相対的に冷たいものをより冷たくする」

「私が手を繋ぐ時、あなたはいつも哀しさで手が冷たいのね」
「冷たいのが判ってて君は手を繋いでくれるんだろう」

2011.06.10 |  Poème En Prose | Text |  緋衣那 充希

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